第14回学術大会開催に向けて
あけましておめでとうございます。
日本医療コンフリクト・マネジメント学会第14回学術大会長を拝命いたしました、島根大学医学部の廣井直樹です。
コンフリクト(conflict)という言葉を調べると「意見・感情・利害の衝突。争い。論争。対立。(デジタル大辞泉)」と書かれています。国家や組織だけでなく、個人間でのコンフリクトに端を発した様々な事件や犯罪が報道されない日がないほど、社会は対立にあふれています。自らを振り返ってみても、感情的なしこりを解消する困難さを感じている毎日です。意見・感情・利害の違いから生じる様々な衝突を対話や言論で解決することはできないのかと、思い悩むことも多々ありますが、このような時だからこそ対話の重要性を見つめなおし啓発していく必要があると感じています。
医療技術進歩と疾病構造の変化の中で、医療者だけでなく医療を受ける患者・家族も多様化しています。そのような状況に対応できる医療者を育成するために、医療者教育も日々変化しています。第14回学術集会では、基本的な医療者の素養はどのように醸成される必要があるのか考える場となるように、「プロフェッショナリズム教育の中の医療対話推進」をメインテーマに掲げています。「医療系学部での現在の医療者教育について-プロフェッショナリズム教育を中心に-」についてパネルディスカッションを企画し、医療者の学部・基礎教育、とくに「プロフェッショナリズム教育」の中にどのように医療対話推進教育を取り入れていくかについて議論していきたいと思います。また、「対応・実践事例を学修につなげるための方策」「パワーハラスメントを考える」の2つのシンポジウムを計画しています。大会前日にはプレカンファレンスとして「重症患者支援におけるメディエータの役割」についてのワークショップも開催いたします。
今年度の学術大会は、2020年以来の対面開催といたしました。Onlineとは一味違った、対面での意見交換場を楽しんでいただけましたら幸甚です。開催地、東京日本橋でお会いできますことを楽しみにしております。ぜひ皆様の参加をお待ちしております。
第14回学術大会長
島根大学医学部 廣井直樹
